北海道ツーリングから戻ってきて2週間以上引っ張ってきたこのルーリングレポートも今回が最終回です。
(ふーーっ、ずいぶん長く引っ張ってしまってスイマセン)
小樽のフェリーターミナルからスロープを上って車両甲板に入っていきます。
チケットのバーコードチェックがあるのですぐに提示出来て簡単にしまえる用意が必要です。
行きの新潟港から乗る時は、乗船の少し前から雨が降り出してしまいスロープというよりメッシュ状の鉄スロープなので滑りそうで緊張しました。
今回は乾いているので、ターミナルビルの窓際からデジカメで撮影してくれている(であろう?)妻に向かって、手をあげる余裕なんてものもありました。
船内に入ってすぐ左の船尾壁面に向かってバイクを移動させます。
最終日に停まった釧路のホテルから、それまで来ていた着替えやもう使わない地図、お土産などはスポーツバッグごと自宅宛に宅配便でおくっているので、リアのツアーパック上のキャリアには無駄な荷物もないのですっきりしています。

これは昨年も利用した方法ですが荷物を送る送料は1500円くらいで済みましたし、疲れが溜まってくる帰りが少しでも軽くなるので便利ですね。
北海道ツーリングに行く方の中には、途中の宿にそれ以降着る着替えを先に送っておくライダーもいるようですね。
部屋でくつろぐための軽めの着替えやサンダル、それに船内で食べるおやつやデジカメだけ持ってバイクから離れます。
ヘルメットや貴重品でない荷物は、新日本海フェリーの場合はバイクを停めたところの壁に網棚があるのでそこに置いておくことも出来ますが、航行中はこの車両甲板に降りてこられませんし、ここは温度が高くなったり匂いもつきそうなので部屋に持って入ります。

バイクやクルマのあるここは二階なので、中央の階段かエレベーターで三階の受付にあがります。
個室利用の場合は、フロントに寄って乗船券を見せて部屋の鍵を受け取ります。

今回、なんとスイートルームを予約しちゃったんです。
今年の割引き企画で、「男女ペアで合計年齢100歳以上で個室利用の場合、往復ともに運賃が4割引き」のペア100プラスというのを利用しました。
通常料金だと一人36,000円のスイートがなんと21,600円で利用出来ます。
しかも小樽から新潟への南行きの場合、レストランではなくグリルでの食事が出港時の夕食、翌日の朝食・昼食と三食ついているんです。
三食分の費用まで考えれば追加料金でちょっぴりリッチな気分が味わえるのでお得だと思って予約しました。
まあ、北海道の間中、タンデムシートで窮屈な思いをしていた妻へのサービスという意味もありますね(感謝!
フロントで鍵を受けとる時には、「●●様、今回はスイートルームのご利用、ありがとうございました」と言われるのはチョット優越感ですね。
でもーー残念だったのは、今回バイクはかなり早く乗船出来てフロントに行ったのですが、クルマや徒歩で乗船してくるほかのお客さんがいなかったので、せっかく「スイートのご利用。。。」をほかのギャラリーさんに聞いてもらえなかったことです(わぁー、貧乏性!笑;
鍵が付いている部屋番号のプレートもほかの個室のようなアクリル製ではなく金属の重たいものです。
鍵のほかに、グリルでの各食事の時間を書いた紙を渡され、食事ごとにそれにスタンプを押してもらうそうです。

しばらくフロント横の椅子に荷物を置いて、徒歩乗船の妻が来るのを待ちます。

乗船用のデッキのところからさっきまでバイクで待っていた場所を見ると、ハーレーのサイドカーと自転車の人が残っていました。


バイクとは別の区分で乗船するようです。
クルマと徒歩の人が乗ってくるととたんにフロントに人があふれかえってきました。
それでは新日本海フェリー、ゆうかりのスイートルームのお部屋紹介です。
スイートルームは5階の中央部分に左右2室ずつ、合計4部屋あります。
扉からして違います。

部屋に入ってまず目に入るのが広々としたリビングです。

L字コーナーのソファにリビングボード、液晶テレビもデラックスAの個室のものより大型です。

デッキのそばの室内にはテーブルセットもあります。

クローゼットもビジネスホテルに備え付けのようなものではなく、ハンガー部分と段段の棚に分かれていて、ヘルメットやライディングシューズを仕舞うライダーの事を考えています(んな事ないですよね(笑;
救命胴衣がほかより大きい、、、なんて事もないですね。

新日本海フェリーの新潟ー小樽便で冷蔵庫がついているのはスイートルームだけです。
しかも中に無料の水とお茶のペットボトルが入っていました。
お茶のセットも緑茶のティーバッグ以外にコーヒーや紅茶のティーポットもありました。
リビングとは分かれたもう一室は寝室です。

落ち着いたインテリアと照明でツインベッドの広さもデラックスルームのより大きめになっています。
これならゆっくり眠る事が出来そうです。

デッキの床もデラックスAが青いプラスチックだったのに対して、木製のものになっていてテーブルセットも用意してあります。
広さもこちらの方が奥行きがありました。


そしてなにより違うのは、海が見えるゆったりとした湯船とこちらも海が見える窓のある独立したシャワールームです。



行きの時に比べて今回の帰りのほうがフェリーに乗ってくるお客さんが多いようなので、混雑する大浴場を利用しなくても、部屋のお風呂でも海を見ながらのんびり湯船につかる事が出来るのが最高です。
デラックスのAやBの部屋にもお風呂とトイレはありますが、ビジネスホテルと同じユニットバスなので海は見えませんし狭いんです。

これだけの違いがあれば、もう完全にリゾートホテル並ですね。
小樽から新潟までの20時間、この部屋にいるだけでのんびり出来そうです。
行きの新潟→小樽だと18時間の乗船で食事2回分、帰りの小樽→新潟だと20時間、3回分の食事で料金は同じです。
テレビでは航行中の地図上のポイントと、各施設の営業時間等の案内をずっと流しています。
テレビ映像はBS放送でたまに途切れる事があり、フルセグとワンセグが切り替わっているようでした。
スイートルームではDVDプレーヤーも置いてあり、航行中ビデオが一本無料で借りられるのですが部屋でのんびりしていましたので借りることはありませんでした。

出港の時間が迫ってきたので部屋を出て共用のデッキに行きました。
私達の取った部屋は、進行方向左側、陸地側なので小樽港の出港時には岸壁の反対側になっていました。
岸壁には大きなフェリーの前と後ろを岸壁に停めておくロープが結んであり、それをそれぞれ四人のスタッフの方が外していました。

19時半、定刻通り出港しました。
霧笛を鳴らしたあとホタルの光の曲が流れ、スタッフの方が一列に整列して手を振ってくれていました。

とうとう北海道の土地を離れるんだな、北の大地のツーリングが終わってしまうんだなとひしひしと感じずにはいられませんでした。
薄暗くなってきた小樽の港に、街とフェリーのオレンジ色のあかりがぼーと光っていました。
いつまでも手を振って別れを惜しんでいました。
スイートルームでのサービスとなる最初の夕食は19時半からでした。
ちょうど出港の時間でしたのでグリルに行ったのは少し遅れて入って行ったのですが、それでも四室あるスイートのお客さんの中では一番乗りでした。

食事のメニューは「夏の創作 六華堂 ~洋風仕立~」だそうです。
まずは生ビールで北海道ツーリングの無事の終了を乾杯しました。
北海道部分だけで、まだ関越道での新潟からの帰宅はありますが、まあいいでしょう。

オードブルはすずきのカルパッチョ、夏野菜たっぷり ・・・ これだけでご飯一膳いけそうな味と量です。

スープは青豆の冷製ポタージュ ・・・ 個人的にはスープは温かい方が好きです。

六華堂という器に盛られて出て来たのは、きんきの柚焼き、牛サイコロステーキ、きすとカニ爪のフリッター、小エビのテリーヌなど ・・・ お肉は柔らかく、ほかのものも食材の味が生きていておいしかったです。 新日本海フェリーのレストランで出される料理も、器や盛りつけは別にして味はおいしいですよね。

食事はコンソメベースの洋風茶漬け ・・・ 日本人なら普通の茶漬けか、いっそのこと洋風リゾットでもよかったのでは。

デザートは季節のフルーツとコーヒー ・・・ すいかとメロンが美味でした。

窓の外に広がっていた日本海が食事をしている間に徐々に暗い闇の中にとけていきました。

上の写真は夕食の席について間もないころですが、終わりの頃には真っ暗になっていました。
遠くに煌々と灯っているのはイカ吊り漁船の明かりでしょうか。
いやぁ、たっぷり1時間かけてコース料理をいただきました。
食事のあと少し船内を歩いてから部屋に戻りました。

広いベッドにダイブして横になります。
今日まで走って目にした北海道の自然の景観を一つ一つ思い出しながらいつしか眠りについていました。
翌朝、7月8日月曜日です。
デッキに出てみると空いっぱいに雲が覆っています。

その雲の向こうに時折太陽がうっすらと顔を出します。



朝食は8時から昨日と同じグリルです。
肉じゃがと焼き鮭といった典型的な日本旅館の朝食という感じです。

味が染みてておいしかったぁ。
朝食にはコーヒーが付かないのでレストランに行きました。


夕食の時は混んでいましたが、朝食はみなさん部屋でパンやおにぎりを持ち込んでいるのか、レストランは空いていました。
コーヒーを飲みながらまったりタイムです。

参考までに、ゆうかりにはスイートルーム以外、デラックスルームにも冷蔵庫は無いし、船内に製氷機はついていないので買った飲み物がぬるくなった時は売店でロックアイス(100円)を買う事になります。
でもレストランの飲料水のところには氷と黒い小さなビニール袋があるのでこれにいれてもらっていく事が出来るんです。

船尾のデッキに出て風にあたると、潮風にふかれて体がべとべとしてきます。


部屋に戻ってお風呂タイムです。

売店で買ってきたこんな入浴剤を入れてみました。

やりたかったのはコレです!
部屋のお風呂の窓から海を眺めながら、サッポロビールでのんびり入浴!

うーーん、余は満足じゃ、ハッハッハッ!
映画「八つ墓村」じゃないですよ、足を伸ばして入るっていうのでやってみました。

窓の外は青い海原に蒼い空、とはいかず雨が降ってきました。

お風呂上がりにデッキに出てチェアに座って風にあたるというのは出来ませんでしたね。

部屋でおやつをつまんでいる間にもうお昼ご飯の時間です。

おいおい、食べてるか寝てるか風呂に入っているかでフェリーでの時間の大部分を費やしちゃいましたので、これだから家に帰って来てから体重を量ったら増えてる筈ですね。
いつもなら長距離バイクツーングだと体重は減る筈なんです。
メニューは、「夏の味わい紀行 ~寄港地 味めぐり~」です。
冷製稲庭うどんにご当地の六種類の薬味でいろいろな味を楽しみます。
長芋、夏大根、小葱、温玉子、わさび、岩塩 それぞれがどこのものかはわからなかったんですけどね。

ほかには穴子と野菜の天ぷら、それに焼鯖寿司が出て来ました。


「もう食べられないよぅ」と言いながらぺろっと完食していた妻でした。
水菓子と冷茶でフェリーの最後の食事が終了です。

部屋に戻ったところで、新潟着港までまだ2時間半もあるので最後にもう一度部屋のオーシャンビュー風呂にちゃぽん。
自宅にもこんな露天風呂、欲しいなぁ。

新潟に近づくにつれ空の雲が取れて青空が広がってきました。


そろそろ出発準備を始めます。
快適だったこの部屋ともお別れです。

クルマで乗船の場合は下船する時は同乗者も一緒に車両甲板に行ってクルマに乗れるので、フロントから二階に下りる階段は混雑状態です。
バイクのライダー達はキャリアに荷物を乗せ、出発の合図を待ちます。
定刻15時30分より少し早く新潟港に到着しました。


下船は、クルマが先でしたのですべてが降りるまで10分ほど待機していました。

私はバイクの一番最後に降りて行きました。

フェリーターミナルの前で待っていた妻のところで最後の荷物を積み込みます。
やっぱり北海道から本州に戻ってくると暑いですね。
気温も高いのでしょうけど、それ以上にムシムシとした湿度の高さに辟易します。
ここに来るときは、朝8時前で高速からフェリーターミナルまでの道もガラガラでしたが、この時間帯は混むこと混むこと!
かなりの混雑でそうでなくても暑いのに、クルマから排出される熱で参ってしまいます。
ターミナルから新潟亀田ICまでの7.2kmを26分も掛かってようやく高速道路に乗れました。

しばらくの間は新潟の田園風景と蒼い空を眺めながら「本州の空の青さも捨てたモンじゃないね」なんてのんびり話しながら流していきます。

いつも小樽発の新日本海フェリーを日曜日の便にするのは、一週間の中でこの日だけ小樽を夕方に出港する便があるので最終日までゆっくりツーリングが楽しめるのと、月曜日の夕方に新潟を出発するので多少は高速道路が空いているかなという理由からです。
あとは高速道路を走って行けばいいので、先を急ぐわけでもないのでゆっくり行きます。
最後の最後で事故や違反に遭いたくはないですからね。
新潟では雲はあるもののとってもいいお天気でしたが、予報と雨雲レーダーを見る限りでは前途多難な予想です。

かなり強い雨雲もあるようで気になります。
高速乗ってから越後湯沢SAで休憩します。
スマホの雨雲レーダーの予想進路を見ながら、どの時間帯にどこを通過すればいいのか検討します。
出来れば雨に降られずレインウェアは着たくないですよね。
関越トンネルの前でかなり黒い雲がありましたが、トンネルを抜けた時にはなんとかクリア出来ました。
でもその先は路面もかなり濡れていて、少し前までの雨の強さを物語っています。
ここで時間調整のために赤城高原SAに入ります。
新日本海フェリーで同じ便だったカワサキのタンデムのご夫婦は、フェリーターミナルで私達より早く出発して、さきほどの越後川口SAでも見かけましたが、この赤城高原SAで会ったときには、雨に降られたということでレインウェアを着ていました。
私達の方はと言えば、路面がウエットだったものの雨に降られずに来られました。
やはり雨雲レーダーをチェックして避けて通ったほんの少しの時間差が大きかったようです。

この先も夕陽は見えているものの、雨雲の固まりが移動してきていますので油断は出来ません。
夕食は高速のSAでささっと済ませ、ビュワーと走ってなんとか雨に降られずに自宅まで帰り着きました。

晩ご飯の時間があまり無くて急がせたせいで、妻が胃が痛くなったというのはナイショです。
家に着いて時はもう真っ暗になっていましたし、疲れてへとへとでしたのでハーレーの洗車もせずにベッドに直行でした。

翌日、めちゃくちゃに暑い関東の太陽の下で、6日間北海道を走ってくれた愛車ハーレー、08FLSTC ヘリテイジ・ソフテイル・クラシックを、泡だらけにして念入りに洗車、そしてワックス掛けしてやりました。
日向の気温は38度を超える猛暑ですが、さすがにこれだけはガンバッテくれたバイクのためにもやってあげない訳にはいきません。
こうして2013年のわが家の北海道ツーリングは終了しました。
この北海道ツーリング記事も9回連続、写真も載せ過ぎでダラダラと絵日記のように取り留めのない文章を書いてきましたが、ひとまず完結しました。
ずっとお付き合いいただいてお読みいただいた方々、コメントをお寄せいただいた方が、ありがとうございました。
皆さんに少しでも北海道を愛車のバイクで走る楽しさをお伝え出来れば、「よし、私も北海道を走るぞ!」と思っていただければ書いた甲斐もあり、とってもうれしいですね。
もう一つはこうやって文章にまとめておくとあとで自分で見返した時に、ただ保存してあるデジカメの写真や動画が見るだけよりも、具体的な感想やあの時どんな事があってどう思っていたかを、自分自身で思い返す事が出来るというのが大きいのかもしれません。
今回の北海道ツーリングを簡単に総括すると、
期間 : 2013年7月3日(水)~8日(月)、6日間
総走行距離 : 2,047km
総走行時間 : 30時間30分
走行時、観光&休憩時間 : 21時間2分
北海道での天候は、
1日目:曇りのち晴れ、但し美幌峠だけ霧
2日目:曇りのち雨、知床峠は雨というか霧雨、羅臼側は小雨
3日目:晴れ
4日目:晴れ
めまぐるしく天候が変わるこの時期の北海道でこれなら上出来でしょう。
そして何より、「無事故、無違反、無転倒」で無事に帰ってこられたのが一番でした。
昨年、バイクに乗り始めて34年目にして初めての北海道ツーリング、それも妻とのタンデムでは、王道と思われるオロロンライン、サロベツ原野、宗谷岬・丘陵、エサヌカ線、富良野、美瑛と一通りのお勧めルートを走りました。
そして二年続けての今年は、世界遺産でまだ行った事の無かった道東の魅力を体験するために、あえて初日と最終日に490キロ、450キロという長距離・長時間走行で東を目指しました。
網走の能取岬や知床半島のクルーズ、知床五湖の散策、暑かったけど一度はこの目で見ておきたかった野付半島のトドワラ、ライダーの聖地である開陽台とそこに至る北19号での走行動画撮影、北太平洋シーサイドラインと昨年のリベンジのナイタイ高原牧場。。。
そのほかにも名もない道だけどとっても北海道らしくて素晴らしい快感を与えてくれた道と観光など、前回よりは走り以上に観光もいれたつもりです。
それに、もういいってくらいに食べたカニ(毛ガニ、ズワイ、タラバ、それに花咲ガニ)や野付のホッカイシマエビ、厚岸のプリップリのカキなど、食もそこそこだったでしょうか。
まあ、これに関しては日にちが経った今としては、もっと食べておけばよかった、あれも食べたかったなど若干の後悔が。。。(笑;
でも、一言で言うならば「やっぱり北海道ツーリング、サイコー!!」ですね。
※ 走行ルートを記録するなら「GPSロガー」がお勧めです。
※ バイクでの走行動画なら「GoPro HD HERO」がお勧めです
※ 仲間やタンデムツーリングでの会話なら高音質の「SENAインカム」がお勧めです
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