革の立体成型によるスマホケースの作り方(ベルトループ型)



スマホを買い換えたのを機に、スマホケースも新しく作り直しました。

サイズが異なるごとに変えているので、ほぼ二年ごとにレザークラフトで新しいケースを作ってることになります。

私のブログや別サイトの「レザークラフト講座」のアクセスでは、「パスケースの作り方」と並んで「スマホケースの作り方」のページにアクセスされる方が多い記事です。

今回は、前からやってみたかった革の立体成型にチャレンジしました。

本体ケース部分の前面から側面にかけてを一枚革を立体的に成型して作る方法を紹介します。

最初に完成品をご覧ください。


 

本体ケースのところの角がキレイに球体状になっています。

 

■ デザインを決める

これが一番楽しく、また悩むところです。

私は今までに三つのスマホケース、フラップ部分のデザインも5種類作ってきましたが、今度作るデザインは今まで使っていたものをほぼ同じものにしました。

フラップにはバイソン柄を付けて、今まで作ってきたロングウォレットとも共通のデザインにしました。


 

過去のスマホケースはフラップ部分だけ独立して、本体にホック留めにしていたのでこの部分だけ作り替えて「着せ替え」を楽しむ事が出来ました。

今回は「簡単にできる」ことを目的としましたのでフラップ着せ替えは無しにしました。

 

■ スマホのサイズを測る

まずは自分のスマホの、縦 × 横 × 厚さの長さを測ります。

こういう立体物のサイズを測るときには、定規(ものさし)ではなくて「ノギス」を使った方が測りやすいです。


 

設計をするのではなく精密なものは必要はないので、100円均一ショップ(ダイソー等)で売られているものでも十分実用になります。

 

■ 革の立体成形の枠を作る

いつもは本体ケースを作るのに、裏側のベースに「前面と側面の革」を折り曲げて縫い合わせて作っていました。

今回はこの「前面と側面の革」を折り曲げずに最初からスマホの形に立体的になった型にしてみました。

立体成形(という表現が適当がどうかわかりませんが)で作る方法です。

同じものを大量生産する場合には、中に入れたい製品に合わせて木製の板などを削ってオス型と、革の厚み分だけ大きめにくりぬいたメス型を作って作業します。

でも加工が面倒ですし、一台分の作業に使うだけなのでもっと簡単にできる方法でやります。

オス型は中に入れるスマホ(のケース)をそのまま使い、周囲の枠は四角い棒を組み合わせ、角丸の部分は別の板で型取りします。

まずは適当な木の端材を使って立体成形用の外枠をつくります。


 

内側の寸法は、実際のスマホのサイズに革の厚みとほんの少しのゆとりを持たせて決めます。

今回は使う革の厚みが2.5mmなので、左右・縦横それぞれ7mm(2.5+2.5+2)の余裕を持たせました。

角の部分はスマホにあわせて丸く革を型取加工しますので、枠の下側に厚手のPP板を作りたい型の形にカットして貼ります。


 

PP板にスマホを載せ外側の形を周囲7mmほど大きめに写し取りカットします。

 

■ 立体成形をする

用意した革は厚さ2.5mm、大きさはスマホよりかなり大きめに左右、上下それぞれ8cmの余裕をもってカットします。

革の両面にたっぷりと水を吸い込ませ、少しの間置いて革を柔らかくします。

最低でも5分程度は革に十分水を吸い込ませて柔らかくします。


 

その間にオス型としてのスマホの準備をします。

そのままだと濡れてしまいますので、ラップを巻いて濡れてもいいようにします。

私は梱包用の伸びるタイプの透明ラップを使いましたが、サランラップやクレラップでも大丈夫でしょう。


 

今回はスマホにプラ製のハードケースを付けたままで革ケースにしまいますので、型取りするにはそのプラケースだけあれば大丈夫です。

スマホを外してプラケースだけだと、強くプレスるすると変形してしまうので中に段ボールの詰め物をして使います。


 

ベースとなる木の台の上にラップを巻いたスマホを下向き(画面側を下)において、濡らして柔らかくなった革を載せます。

外枠を押しつけて周囲をクランプで押さえます。

一番力のかかる下側には小型の万力やバイスではさみます。


 

このまま一晩おいて革が乾いて型が取れるのを待ちます。


 

革は水で濡らして乾くとかなり縮みます。

今回も二回りほど小さくなったので、プラケース無しでスマホを直接入れるようにしました。

ゆとりをもって作るなら、周りのかさ上げをかなり厚く入れておいた方がいいですね。

乾いたらこの状態で内側はトコノールで平らに仕上げ、外側にはピュアホースオイルを擦り込んでおきます。


 

その後、上部を適当な長さでカットして、床面と上部のコバをトコノールで磨いておきます。


 

 

■ 型紙をつくる

本体表側が出来たら、ここから残りのパーツの設計図を作ります。

工作用紙を使って型紙を作ります。

だいたいの目安として、

 ・長さは スマホの縦のサイズ+厚さ+

 ・幅は、 スマホの幅のサイズ + 厚さ +縫い代分(片側5mm×両側分)

 ・ベルトループは普段使うベルトの幅を考慮しますが、例えば4cm幅のベルトようなら、幅4cm × 長さ7cmくらいでいいと思います。

実測したサイズに、縫い代とゆとりを持たせてサイズを決めます。

この時、使う革の厚さやどれくらいゆとりを持たせるか、中に入るスマホにストラップが付いているか(ひもや接続部の分だけゆとりが必要)などで、多少サイズを調整します。

今回作るパーツは、

 ・本体表(立体成型)

 ・本体後ろ+フラップ

 ・ベルトループ

 ・ホック取付部

この内、「ホック取付部」のパーツに関しては、作らずに「本体表」に直接ホックを留めることも出来ます。

その場合は、中のスマホ液晶画面に傷つかないように裏から薄い革か布を貼っておきます。

そのほかにフラップ部分の飾りように

 ・飾りベース

 ・パイソン柄

を作ります。


 

 

■ 革をカットする

型紙が出来たら革をカットします。

今回使う革は、ヌメ革の厚さ2.5mmのものです。

「飾りベース」や「ベルトループ」の部分は2.mmのものを使いました。

革の銀面(表のつるつるした面)に型紙を載せ、鉄筆で周囲をけがいて型を写します。

カッター台に載せ、直線は定規を当てて、曲線部分は革を回すようにしてカットします。

カットするのは革包丁を使う方や大型カッターを使う方などそれぞれですが、自分の使い慣れたものでいいと思います。

ただカッターだけは工作用の小さいものより大型のものの方がうまくいきます。

 

■ 床面とコバを処理する

「ホック取付部」以外のすべてのパーツの床面にトコノールを塗り込んで平らに処理しておきます。

「ホック取付部」は接着するのでトコノールは使いません。

コバの部分もこの段階ですべて処理しておきます。

コバ落としとヤスリで角の面取りをした後、水で軽く湿らせてスリッカーや布等で磨いて半丸の断面に仕上げます。

その後でトコノールを綿棒に付けて薄く塗って半乾きになってから磨いてツヤを出します。

 

■ パーツを縫い合わせる

最初に、ホックベースにホックを打ち込んだ後で本体表に縫い付けます。

菱目打ちで穴を開け、二本針で手縫いします。

本体裏には、ベルトループを縫い付けます。

曲げやすくするためと、ベルトを通す部分の邪魔にならないように、革を少し漉いておきます。


 

普段使うベルトの幅とつり下げてバイクでの乗車姿勢に邪魔にならない位置にベルトループを縫います。


 

フラップ部分には、飾りとなるベースとその裏側からパイソン柄を縫います。

ベースの革は1.6mm厚のものを使い、くりぬいた内側の革を一回り小さくしてパイソン柄の下に敷いて立体的に仕上げます。


 


 

本体表と本体裏の周囲をヤスリで荒らしてサイビノールで接着して、菱目打ちで穴を開けてから周囲を手縫いします。


 


 

本体裏からのびたフラップ部分に、本体表のホックと合う位置にコンチョと共にネジで固定します。

 

■ フラップ周囲をメキシカンバスケットウィーブで革ひもかがりで仕上げます。

フラップ部分の周囲に平目打ちで穴を開け、3mm幅の薄い革ひもでかがっていきます。

以前のはダブルステッチでやりましたが、今回はだいぶ慣れてきたメキシカンバスケットウィーブで仕上げます。


 

フラップの裏側も見えるスマホケースには、こちらの方が豪華に見えます。

 

最後に全体にピュアホースオイルを擦り込んでやれば完成です。

 


 


 


 

ロングウォレットともデザインを合わせたので、バイクに乗った時にもトータルコーディネートできて満足です。

 
 ※ レザークラフトをやるなら手縫いセットとレーシングポニーは必需品です。